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2009年5月22日金曜日

大根 苦い大根

大根編その3:
"つくったダイコンを食べたところ、苦いのですがなぜでしょうか。
昨年の秋に(9月)、ジャガイモの後作にダイコンを播種しました。品種は耐病総太りです。
収穫して、沢庵漬けを作って食べたところ苦かったです。煮ても、少し苦くて美味しくありません。なぜでしょうか。

ご質問の内容から判断するとは生理障害が原因であると思われます。ダイコンの生理障害につきましては、既に当園芸相談でも、いくつか掲載しておりますので、ご参照下さい。
・「赤心症」
・「ダイコンの青変」

さて、「ダイコンの苦み」ですが、はっきりとしたことは分かりませんが、「赤芯症」と呼ばれる生理障害等と同じホウ素欠乏症の極軽いものである可能性が高いと思います。たぶん、「ジャガイモの後作である」ことはこの場合無関係でしょう。
ホウ素欠乏症は夏栽培で発生が多くなります。ひどくなれば「赤心症」等の明確な生理障害になりますが、ごく軽い場合は、外観上(切断面も含めて)は、ほとんど分からないことも多いものです。外観上は問題なくても、苦みが出てしまうことがあり、これがご質問のケースかと思います。

結果的にホウ素欠乏の症状が起こるわけですが、土壌にホウ素が不足する場合の他、高温・乾燥等によりホウ素が吸収できない状態になってホウ素欠乏になることもあります。「赤芯症」等の明確なホウ素欠乏症につきましては、品種間に感受性の差が見られますが、「苦みダイコン」は、いずれの品種でも起こるそうです。無論、耐病総太りでも発生するようですが、環境条件(気温・土壌水分等)によるところが大です。栽培後半の高温環境が問題になります。関東だと6月蒔きのもので種々の生理障害の問題が起こります。

対策としては、まずホウ素やリン酸資材の施用が挙げられるかと思います。リン酸資材の投入は、土壌酸度を低下させ、ホウ素の肥効を良くする効果があります。また、適度な潅水や地温の低下(マルチ等の利用による)も有効かも知れません。ほう砂なら2~3kg/10a程度の施肥が有効です。
具体的なリン酸資材ならびにホウ素の商品名についてですが、これには多くの種類があります。リン酸資材には、過燐酸石灰、重過燐酸石灰、熔性燐肥、燐安などがありますが、肥料会社各社からそれらとそれらを配合した肥料が販売されていますのでお問い合わせ下さい。熔性燐肥あるいは過燐酸石灰が適当だと思います。
ほう砂はホウ素(B)資材の一つですが、これにも幾つかのタイプがあります。

実際の商品名につきましては、お近くのJA(農協:連絡先は電話番号案内でお問い合わせ下さい)に問い合わせるのが最も良いかと思います。また、番号案内で肥料販売店あるいは種苗店にお問い合わせになるのも良い方法です。特に商品名にこだわる必要がないので具体的な商品名は挙げないでおきます。販売店にあるもので大丈夫です。"


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