神戸新聞|経済|不法投棄の「主役」に光 伐採木や汚泥を肥料化
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汚泥をかき混ぜて粒状にする機械。この後、熱処理で乾燥、殺菌する
炭化処理された伐採木。土壌改良材のほか、家畜の整腸剤としても活用できるという=いずれも洲本市五色町上堺、清水建材リサイクルセンター
建設工事で出る伐採木や汚泥などの廃棄物をリサイクルして有機肥料に変える取り組みを、洲本市内の建設会社が進めている。建設系廃棄物を主原料とした有機肥料作りは全国でも珍しく、兵庫県環境整備課は「汚泥は処分場に埋めるぐらいしか処理方法がない。活用法の先進事例になるかもしれない」と期待を寄せている。
建設系廃棄物が不法投棄全体に占める割合は約七割と多く、リサイクル促進は急務だ。清水建材(洲本市五色町都志大日)は昨年八月、同社が運営する木くずやがれきの処理施設内に、木くずの炭化や発酵、汚泥の乾燥処理施設を計四棟、四千平方メートル分増床した。総工費は約十億円。試験運転を経て今年三月から本格稼働している。
使用するのは、土木工事時の伐採木や、池や河川工事の際に出る汚泥。伐採木は細かく砕いて木くずにしたものを炭化処理して土壌改良材にするほか、熱処理で乾燥、殺菌した汚泥と混ぜて肥料にする。伐採木や竹、草などを発酵させて完熟たい肥も作る。当面は月百トン程度生産する予定。
清水保男社長(57)は「有機栽培への関心は高まっている。不法投棄の原因にもなる建設廃材をリサイクルし、農業で活用したい」とし、「建設廃材といってもすべて天然素材。水稲用や野菜、園芸用など用途別に良質の肥料を作りたい」と話している。
今月四日から販売。二十リットル入り五百円から。同社TEL0799・35・1050
(高森 亮)
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