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2009年8月21日金曜日

ソムリエが農家に転身 「欧州原産品を有機で」

ソムリエが農家に転身 「欧州原産品を有機で」 
in 神戸新聞


有機野菜栽培に取り組む橘真さん(手前)と妻の樹理さん=南あわじ市倭文土井


神戸でワインソムリエとして活躍していた橘真さん(44)が、南あわじ市倭文土井で農園を開園し、阪神間のレストランへ出荷するフランスやイタリア原産の有機野菜栽培に取り組んでいる。「食べた時にその土地の風景のイメージが広がり、生産者の顔が見えるような野菜をつくりたい」と張り切っている。(橋本 薫)

大学時代に神戸のイタリアンレストランでアルバイトをしていた時にワインに興味を持ち、24歳でソムリエの資格を取得。フランス料理店などで腕を磨き、1994年、29歳で神戸・北野にワインバーをオープンした。

2004年にバーを閉店し、酒店を営む知人と大阪で和食料理店を開店したが、営業活動で知り合ったレストラン関係者から「日本ではいい野菜が手に入りにくい上、種類も少ない」という声を聞き、野菜栽培に取り組むことを決意した。

昨年4月から半年間、就農を支援する神戸市西区の研修所で学び、準備を進めた。8月、都市と田舎の交流を進める南あわじ市内の特定非営利活動法人(NPO法人)「ふるさと応援隊」理事長の北谷雅良さん(61)に出会い、有機栽培に適し阪神間からも近い同市内に今年4月に移住した。

現在は約60アールの畑で約100種類の野菜を試験的に栽培。カボチャやナスのような形のトマトなど、日本では見慣れない形や色の野菜が実っている。ハーブ類やラディッシュなど既に収穫に成功した野菜もあり、どの野菜が気候や風土になじむのか、妻の樹理さん(33)と共同で試行錯誤を続けている。「冬になれば放棄田にブドウを植栽し、ワインの醸造も検討したい」と夢を広げる。

今後、神戸や大阪のレストランと契約を結び、安定した出荷を目指す。橘さんは「個性のある野菜をつくりたい。お客さんの評価が楽しみ」と話している。


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