ポイント:
食品産業は、過酷で給与が安く、仕事も不規則だといわれている。
工業化を適切に行い、リサイクル技術を生かし、安定した経営と
農業への貢献を期待する。
【東証一部上場】株式会社松屋フーズin リクナビ 8月上旬、サービス停止時期あり
"【東証一部上場】株式会社松屋フーズ(会社トップ|採用方法・選考基準)
[業種]レストラン・フード(総合)/食料品/商社(総合)/商社(食料品)/その他専門店・小売
食べものを、ごみにしない。100%リサイクルへの道。
■ 1日10トンの野菜くずを再生せよ。
ここは比企郡嵐山町。埼玉県のほぼ中央に位置する。関越自動車道のインターチェンジからこの町に入ると、すぐに工業団地が現れた。その一角に、白く、松屋フーズの工場がある。全国およそ700店舗で使用する食材を製造・供給する基地だ。
「嵐山工場では、牛めしなどのスライス肉、丼のたれ、カレーライス、ドレッシングなどをつくっています。それから、3年前に富士山工場ができてからは移管しましたが、以前はカット野菜もこちらで加工していたんです。当時は1日10トンもの野菜くずが出ていましてね。そのため私たちは、これらの生ごみをリサイクル処理するプラントを敷地内に構えておりました」
説明するのは、工場長の桜島氏だ。大量の生ごみは、乾燥させて土壌改良剤として再生して、社外に販売した。土や肥料に混ぜると、作物の生育がよくなるという。環境問題の解決には、巨額の投資が欠かせない。同社はリサイクルを「利益化」することで、そのハードルを早期に乗り越えてしまったのだ。工場長は語る。
「利益を出せるビジネスモデルをつくって、日本中の外食企業に広めたい、と考えました」
■ 廃棄野菜を安全に再生せよ。
野菜の加工を担う富士山工場では、下記のようにくずを活用。100%のリサイクルを実現している。
1)生の状態で、静岡県の酪農家に乳牛の飼料として販売
2)同様にブランド豚「恵比寿豚」の飼料に
3)乾燥させて福島県の酪農家へ販売
また将来に向けた取り組みで、農水省傘下の独立行政法人らと、「廃棄野菜の安全で高品質な飼料への再生・利用技術の開発」も研究する。
■ 首都圏400店から出るごみを再生せよ。
2005年、富士山工場の完成にともない野菜加工が離れた嵐山工場では、処理する生ごみの量が激減した。同社は次のアクションに出た。
「店舗から出る生ごみを有効活用しよう」
毎日回収できれば、問題なく土壌改良剤に再生できる。従来店舗の生ごみは他のごみと共に、自治体と専門業者に依頼して焼却処理していた。もちろんコストも発生する(首都圏約400店で年間数億円)。これを自社で集めて処理・販売すると、コストを利益に転化できる見通しが立った。
「少しでも環境に貢献すべく、燃費のよいハイブリッドトラックを12台購入しました」
業界でも異例のこだわりのリサイクルは、現在も進化中だ。
『店舗ごみ回収プロジェクト』 ~ 計画から1年かかった嵐山の難産。
(左から)畑本マネジャー・桜島工場長・山田マネジャー
「店舗から出るごみを自社で回収する」。それを実現するには、高い壁を乗り越えなければならなかった。まず、事業モデルとしてのお手本がない。一般廃棄物は市区町村の管理下にあり、たとえば「千葉→埼玉」と越境してごみを運ぶのも異例だった(自社で回収するなら、法的な問題はない)。
また、ゴミ処理分の収入が減ることから難色を示す自治体もあった。なにより前例がない。このため物流グループの畑本マネジャーは、市や区へ足を運び、辛抱強く交渉を重ねた。最終的には、環境省とのパイプもつないで、実現への道をつけた。
一方では、生産管理・資材グループの山田マネジャーが、事業を利益化させるべくコスト管理、シミュレーションなどを試行錯誤した。
桜島工場長の指揮のもと、全社一丸となってプロジェクトは進行した。12台のごみ回収トラックが約400店の店舗へ向けて走り出したのは、計画から1年後の2006年4月だった。
企業プロフィール
【東証一部上場】株式会社松屋フーズ
商社(総合)/食料品/レストラン・フード(総合)/その他専門店・小売
食のリーディングカンパニーとして多様な事業を展開。●牛めし定食『松屋』●とんかつ『松八』●鮨『すし松』『福松』●冷凍食品・カット野菜等の「外販事業」●米国・中国での「海外事業」●生花の栽培・ユニフォームクリーニング・精米・システム開発、他"
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