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2009年8月8日土曜日

ジャガイモ加工残渣の搾乳牛への利用

ポイント:
以前、ジャガイモから澱粉を回収した粕の飼料化についてお知らせした。
今回はそれ以外の残渣の飼料化の情報である。


地域飼料資源(ジャガイモ加工残渣)の搾乳牛への利用
— 農林水産研究情報総合案内

[要約]
ジャガイモ加工残渣はビートパルプと2:1の割合で密封貯蔵すると、良質サイレージが調製でき、このサイレージを原物重で21%混入したTMRを搾乳牛に給与すると、嗜好性は良好で、乳量、乳質も安定し、飼料費を低減できる。

京都府畜産研究所・大家畜部
[連絡先]0773-47-0301
[部会名]畜産
[専 門]飼育管理
[対 象]乳用牛
[分 類]指導


[背景・ねらい]
酪農経営を改善するためには、飼料コストの低減が不可欠であり、地域において利用されていない安価な飼料資源の有効活用が求められている。当地ではサラダ用ジャガイモ加工工場の加工残渣が未利用となっており、これを乳牛用飼料として有効に活用するため、安定した貯蔵法とTMR(完全混合飼料)に調製した時の飼料の利用性について検討する。

[成果の内容・特徴]

1. ジャガイモ加工残渣とビートパルプを原物重量比2:1の割合で混合して密封貯蔵すると、1カ月後にはフリーク評点100点の良質なサイレージ(以下、ジャガイモサイレージ)が調製できる(表1)。
2. ジャガイモ加工残渣は、サラダ用として予め皮を剥いたジャガイモの不良部分を切除した残渣であり、TDNが乾物中76.4%、CP6.9%である(表2)。
3. 分娩前3週目から分娩後6週目までの搾乳牛2頭に、ジャガイモサイレージを原物重で21%混合したTMR(TDN78.1%,CP16.8%、粗繊維15.8%)を給与したところ、嗜好性は良好で、分娩後の飼料摂取量、乳量ともに順調に増加する(図1、表2)。
なお、当所慣行飼養法の能力、産歴は同程度で同乳期の2頭と比較しても差は見られない。
4. 期間中の飼料摂取量は平均25kg/日で、ジャガイモ加工残渣を3.38kg摂取し、1日1頭当たりの飼料費は、同等のTDN量を大麦で給与する場合と比較すると約25円安くなる(表3)。

[成果の活用面・留意点]


ジャガイモ加工残渣は、時間の経過と共に変色してくるので、可能な限り排出された日に密封貯蔵する必要がある。

[その他]
研究課題名:地域飼料資源を活用したTMRによる乳牛の飼養技術
予算区分 :府単
研究期間 :平成12年度(平成10~12年)
研究担当者:岩間仁志、藤井清和、谷口和紀
発表論文等:地域飼料資源を活用したTMRによる乳牛の飼養技術、京都畜研成績、第40,41号掲載予定(2000,2001)


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