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寒さに強い「ごまえもん」 岩手大など新種開発
in 岩手日報
岩手大農学部滝沢農場(滝沢村)は16日、農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県つくば市)と共同開発した黒ゴマ新品種「ごまえもん」の発表会を盛岡市盛岡駅西通2丁目のマリオスで開いた。抗酸化機能があるリグナンを多量に含み、寒冷地栽培に適するのが特長。99・9%を輸入に頼るゴマの希少な国産品として産地形成が期待される。
生産者、研究者ら約20人が参加。同機構作物研究所の大潟直樹特命研究員がごまえもんの特長について「病気に強いため栽培しやすく、寒冷地でも収量が多い」と説明した。
一関市大東農業技術センターの勝部忠志農業技術員、内舘勝則川井村長がゴマ生産の取り組みを発表。ごまえもんを使ったせんべいや団子の試食を行い、参加者からは「香ばしい」と好評だった。
岩手大滝沢農場は、県内でごく小規模にしか行われていないゴマを特産作物にしようと同研究所と共同研究。本県在来種の「岩手黒」と「関東11号」を交配、育成し、4月に新品種登録を出願した。
免疫機能を正常な状態に保つとされるリグナンの一種セサミンを種子1グラムに約10ミリグラム含有。市販の輸入物の5倍に当たり、健康食として注目されそうだ。
同研究所は2002年にゴマ新品種「ごまぞう」を開発したが、寒さに弱いのが難点で、粒が褐色のため用途も限られていた。ごまえもんは草丈が低いため倒れにくく、耐寒性に優れている。
今後は本県や茨城県で試験栽培を行う予定。岩手大滝沢農場の星野次汪(つぐひろ)教授は「リグナンが豊富なため苦味はあるが、知恵次第で食材に活用できる。地域活性化の起爆剤になれば」と期待する。
【写真=開発された黒ゴマ新品種「ごまえもん」(左)。右は褐色の「ごまぞう」】
(2009/07/17)
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