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2009年4月17日金曜日

神岡鉱山で「地底農業」 地下1000メートルに栽培:社会(CHUNICHI Web)

神岡鉱山で「地底農業」 地下1000メートルに栽培
in :中日新聞:社会(CHUNICHI Web)

2009年4月12日 朝刊

 岐阜県飛騨市神岡町の酒類販売会社「HIP」が、神岡鉱山の地下1000メートルでホワイトアスパラガスなどを水耕栽培する「地底農業」に取り組む。温度や湿度が安定し、水が豊富な利点を生かして低コスト化を図り、地域おこしにもつなげたい考えだ。

 鉱山の地下は温度が13度ほどで一定しており、湿度も大きな変化がない。このため、栽培での環境管理が容易とみられることにHIPが着目した。

 地下でしみ出す澄んだ水を水耕用に使用、岩石むき出しの真っ暗な地下空間で、ホワイトアスパラガスやウドなど、あまり光を必要としない「白い野菜」を栽培する。軌道に乗れば、生産設備を拡充して地下の「植物工場」とすることを目指す。

 神岡鉱山は、素粒子ニュートリノの観測で知られる東京大の「スーパーカミオカンデ」で有名。HIPは、地元有志が地域活性化のために設立した有限会社で、鉱山地下で熟成させたワインなどの販売経験もある。地域おこしの絶好の舞台といえる神岡鉱山の新たな活用法を探っていた。

 地底農業の初期投資費用などは約2000万円。今夏の実験開始を目指しており、助成金獲得に向けて政府の「地方の元気再生事業」にも応募している。

 HIPの林五月社長(47)は「神岡は鉱山城下町だが、人口が徐々に減っている。ユニークな鉱山利用が活性化につながれば」と話している。


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