消火器粉末を肥料にリサイクル JAさがなど
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JAさがは、肥料メーカーなど3社と共同で、消火器の消火剤粉末を有機配合肥料にリサイクルする製造法を開発した。使用期限切れで回収される消火剤に、肥料の原料になる窒素とリンが多く含まれることに着目、研究を重ねた。原料価格が値上がりする中、今秋から、安定的かつ安価な肥料の提供を目指す。
消化剤の粉末は、撥水(はっすい)性を持たせるため樹脂でコーティングしている。土に溶けないため、樹脂膜除去が課題だった。JAさがなどは、肥料材料の油かすや魚かすなどの有機物と混ぜ、粉から粒に成形する過程で膜を除去する手法を生み出した。
同様にリサイクルして肥料化している消火器メーカーの除去法とは違う手法で、製造法の特許を出願した。農水省への肥料登録も終わっている。
肥料の主要三要素の窒素、リン、カリウムは輸入に頼っている。世界的な人口増とバイオ燃料需要などを背景に、一時は国際価格が高騰、価格対策が課題になっている。
JAさがは、今秋からミカン用の有機配合肥料として活用する計画。重量の10%を消火剤由来の肥料成分に変え、価格を5-7%削減する。消火器の回収方法や購入額は今後の課題で、理研農産化工(佐賀市)など2業者が肥料を製造、もう1社は材料の仕入れを担当する。
JAさが肥料農薬課は「消火剤のリサイクルはあまり進んでいないと聞いている。県内外の関連業者に協力を求め、年間10万本(1本=粉末3キロ)の安定確保を目指したい」と話す。
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