ポイント:
やせ地でも育つハーブ。
ソースにして商品化すれば収益が期待できる。
保存性が弱いのが難点か。
ハーブの香り 食欲アップ
in YOMIURI ONLINE(読売新聞)
ソースにして長期保存
ピストーソース(左奥)と、それを使ったすいとんのニョッキ(手前)、トマトのピストーピラフ詰め(右奥)
残暑が続く中、夏の疲れが出てくる頃だ。料理研究家の島静代さんは、食欲をそそるハーブを食卓に取り入れることを提案する。
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ハーブの産地である南仏プロバンスでは、生のバジルとニンニク、オリーブオイルなどを混ぜた「ピストーソース」を作り置きし、毎日の料理に活用している家庭が多いという。冷蔵庫で1~2週間、冷凍なら1~2か月保存できる。
ピストーソースと、それを使った料理2品を、島さんに教えてもらった。
まずピストーソースを作る。
<生バジルの葉を洗い、水気を切る。ニンニクは皮をむき、適当に切る。すべての材料をフードプロセッサーにかける。瓶や保存容器に入れて保存する>
濃厚なバジルの香りが食欲をそそる。パスタとあえたり、トーストに載せたり、サラダのドレッシングにしたりと重宝する。特にトマトとの相性がいい。
すいとんのニョッキを。
「フードプロセッサーがなければ、すり鉢ですってもいいですよ」と話す島さん
<すいとん粉をボウルに入れ、水150ccを中央から少しずつ入れて練る。耳たぶよりやや固めになったら、丸くまとめてラップで包み、冷蔵庫で15分寝かせる。トマトはへたを取って湯むきし、粗みじんに切る。飾り用のバジルを千切りにする。鍋に湯を沸かし、オリーブオイル少々と塩ひとつまみを入れ、すいとんを2センチくらいの大きさに丸め、真ん中をややへこませて湯に入れる。浮いてきたらボウルに取る。鍋の湯を切り、オリーブオイル大さじ1~2杯、トマト、ピストーソース、ニョッキを入れて温め、塩少々で調味する。皿に取り、好みでパルメザンチーズをかけ、飾り用のバジルを散らす>
バジルのさわやかな香りとトマトの酸味が混じり合い、もちもちしたすいとんのニョッキによく絡む。
もう一品は、トマトのピストーピラフ詰め。
<コメを洗い、ざるに上げて1時間ほどおく。タマネギとベーコンはみじん切りに。鍋にオリーブオイル大さじ1杯を熱し、タマネギとベーコンをいため、コメを加え、全体に油がまわったらピストーソースとスープを加えてよく混ぜ、ふたをして弱めの中火で10~13分炊き込む。トマトはへたと反対の側をふたになるように切り、中をくりぬき、中に軽く塩を振る。ミックスハーブ(生のパセリ、タイム、オレガノ、バジルなどをみじん切りにしたもの)大さじ2杯とレモン汁同3杯をボウルに入れ、塩、コショウ、水少々を加えて調味してからオリーブオイル同6杯を加え、ミックスハーブソースを作る。くりぬいたトマトにピラフを詰めてふたをかぶせ、ミックスハーブソースをかける>
「余ったハーブの茎はオイルに漬けておけば、ハーブの香りが移ったオイルを、いためものなどに使えます」と島さんは話している。
【材料】(ピストーソースは150~200cc分、そのほかは2人分)
■ピストーソース
生バジルの葉30g/ニンニク大きめ4~5かけ/松の実(なければカシューナッツでも)大さじ1杯/黒オリーブ(瓶詰、種なし)同2杯/オリーブオイル同4~5杯/好みでパルメザンチーズ同1~2杯
■すいとんのニョッキ
すいとん粉200g/完熟トマト中2個(なければ水煮缶200g)/飾り用の生バジルの葉4~5枚/ピストーソース大さじ2杯
■トマトのピストーピラフ詰め
完熟トマト大2個/コメ1カップ/スープ(固形ブイヨン2分の1個)150cc(なければ水でも)/タマネギ4分の1個/薄切りベーコン1~2枚/ピストーソース大さじ1杯
(2009年8月27日 読売新聞)