山口県産の無農薬「ウサギのおやつ」-山口のウサギ専門店で販売
in 山口経済新聞
(2009年03月31日)
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山口県産の無農薬「ウサギのおやつ」-山口のウサギ専門店で販売
山口県産の無農薬ニンジンを使ったウサギのおやつ「キャロッチ」
山口・米屋町のウサギ専門店「RABBIT・HEART(ラビット・ハート)」(山口市米屋町、TEL 083-921-1058)は現在、山口県産無農薬ニンジンを使用したウサギのおやつ「carrochi(キャロッチ)」を販売している。
同商品は、山口県内で生産されたニンジンをスライスして天日干しした後、乾燥させたウサギ専用のおやつ。無農薬ニンジンを使用し、何も加えずに乾燥させただけの安心・安全な商品。
同店では、ウサギ専門店としてラビットフードやティモシー(牧草)のほか、さまざまなウサギのおやつも販売している。メーカーから仕入れたおやつには産地がはっきり分からないものが多く、同店では「ペットが口にするものにも安心・安全な食品を与えたい」と県産ニンジンを使ったおやつの開発を行い、昨年11月末に初めて売り出した。
製造は、野菜の移動販売「西京屋」(山口市鋳銭司)が行い、「RABBIT・HEART」の店頭とインターネット上で販売している。価格は525円(30グラム)。購入客の中には「ウサギが喜んで食べるからと、リピーターになった人やまとめ買いしていく人もいる」(同店の鈴木三和さん)という。
鈴木さんは「開発にあたっては、食べやすい厚さや大きさなどをデータにして調べた。現在、第2弾としてリンゴのおやつを試作中。なるべく早く発売したい」と話している。
営業時間は12時~19時。木曜定休。
2009年3月31日火曜日
2009年3月29日日曜日
サツマイモ茎葉で高品質な豚肉を生産 -茎葉の機能性成分を利用して夏季の肉質低下を緩和-
サツマイモ茎葉で高品質な豚肉を生産
-茎葉の機能性成分を利用して夏季の肉質低下を緩和-
in 九州沖縄農業研究センター
サツマイモの茎葉はポリフェノールなどの強い機能性成分を有することが知られています。今まで廃棄処分されてきたサツマイモ茎葉を豚の飼料として有効利用することにより、夏の暑熱環境下でも豚肉の酸化を緩和できることを明らかにしました。
【背景とねらい】
サツマイモはアントシアニン系色素などのポリフェノール類を含み、それらの成分は抗酸化活性などの機能性を示します。しかし、機能性成分を多く含くむ茎葉などの地上部は緑肥として畑地に還元されるだけで、茎葉の持つ機能性をうまく活用しているとはいえません。そこで、サツマイモ茎葉(写真)を肥育豚の飼料原料として利用し、機能性成分の生理活性をブタ生体内で発現させて、豚肉の品質向上を図ることを目的に研究を進めました。
【成果の内容】
九州沖縄地域の夏季のような暑熱環境下では、ブタはより多くの酸化ストレスを受けており、生産される豚肉に含まれる脂質過酸化物量は増加します(図1)。そこで、酸化ストレスをより多く受けている暑熱環境(環境温度摂氏32度、相対湿度約60%)下で肥育豚(体重約60~110kg)に乾燥したサツマイモ茎葉粉末を飼料に5%添加して給与したところ、以下の結果が得られました。
1. 飼料中のポリフェノール量は約1.4倍、アントシアニン量は約10倍に増加(図2)、
2. 肥育中、とくに、肥育前期の採食量を増やすと成長を促進する傾向を示す。
3. 生産される豚肉に含まれる脂質過酸化物の量を減少させる(図3)。
【今後の展望】
サツマイモ茎葉に含まれる機能性成分は強い抗酸化性を示す他にも、動物にとって好ましい機能も有することが示されつつあります。これらの機能性を利用して、ブタの代謝異常などを予防し、健康的に肥育することにより、一層、安心で安全な豚肉の生産につながるものと期待できます。
【学会発表】
この内容は3月29日(水)~31日(金)に九州大学にて開催される日本畜産学会第106回大会で発表します。
-茎葉の機能性成分を利用して夏季の肉質低下を緩和-
in 九州沖縄農業研究センター
サツマイモの茎葉はポリフェノールなどの強い機能性成分を有することが知られています。今まで廃棄処分されてきたサツマイモ茎葉を豚の飼料として有効利用することにより、夏の暑熱環境下でも豚肉の酸化を緩和できることを明らかにしました。
【背景とねらい】
サツマイモはアントシアニン系色素などのポリフェノール類を含み、それらの成分は抗酸化活性などの機能性を示します。しかし、機能性成分を多く含くむ茎葉などの地上部は緑肥として畑地に還元されるだけで、茎葉の持つ機能性をうまく活用しているとはいえません。そこで、サツマイモ茎葉(写真)を肥育豚の飼料原料として利用し、機能性成分の生理活性をブタ生体内で発現させて、豚肉の品質向上を図ることを目的に研究を進めました。
【成果の内容】
九州沖縄地域の夏季のような暑熱環境下では、ブタはより多くの酸化ストレスを受けており、生産される豚肉に含まれる脂質過酸化物量は増加します(図1)。そこで、酸化ストレスをより多く受けている暑熱環境(環境温度摂氏32度、相対湿度約60%)下で肥育豚(体重約60~110kg)に乾燥したサツマイモ茎葉粉末を飼料に5%添加して給与したところ、以下の結果が得られました。
1. 飼料中のポリフェノール量は約1.4倍、アントシアニン量は約10倍に増加(図2)、
2. 肥育中、とくに、肥育前期の採食量を増やすと成長を促進する傾向を示す。
3. 生産される豚肉に含まれる脂質過酸化物の量を減少させる(図3)。
【今後の展望】
サツマイモ茎葉に含まれる機能性成分は強い抗酸化性を示す他にも、動物にとって好ましい機能も有することが示されつつあります。これらの機能性を利用して、ブタの代謝異常などを予防し、健康的に肥育することにより、一層、安心で安全な豚肉の生産につながるものと期待できます。
【学会発表】
この内容は3月29日(水)~31日(金)に九州大学にて開催される日本畜産学会第106回大会で発表します。
2009年3月28日土曜日
メコンデルタにおける米ヌカ主体豚飼料へのサトウキビ・シロップ添加効果 — 農林水産研究情報総合案内
メコンデルタにおける米ヌカ主体豚飼料へのサトウキビ・シロップ添加効果
in — 農林水産研究情報総合案内
12. メコンデルタにおける米ヌカ主体豚飼料へのサトウキビ・シロップ添加効果
〔 要約 〕米ヌカを主体とした飼料中にサトウキビ・シロップを 4 %添加することにより、豚の増体、飼料要求率が改善される。また、米ヌカを主体としながらサツマイモ茎葉を乾物当り 10%配合した飼料中にサトウキビ・シロップを 3 %添加することにより、増体、飼料要求率及び粗タンパク質、粗脂肪等の消化率が改善される。
所属 国際農林水産業研究センター・畜産草地部 連絡先 029(838)6356
推進会
議 名 国際農林水産業 専門 畜産 対象 豚 分類 国際
[ 背景・ねらい]
メコンデルタにおいて多くの豚は、米ヌカ主体の飼料を給与されている。この地域では、ヨウサイやホテイアオイ等の水生植物、サツマイモ茎葉等の農業副産物が豊富にあり、これら低利用飼料資源を飼料中に乾物当りで最大 5 - 6 %まで配合することにより、肉質の改善や飼料費の低減に役立つことが示されている(国際農林水産業研究成果情報第 11 号)。一方、サトウキビ副産物もしくは中間生産物は安価である上に、供給が安定しているため、養豚用飼料としての活用も期待されている。そこで本研究では、米ヌカ主体の飼料に、サトウキビ圧搾汁を濃縮した中間生産物のサトウキビ・シロップ(シロップ)を添加し、豚の増体、飼料要求率、消化率を調べるとともに、サツマイモ茎葉を過剰に配合した飼料へのシロップ添加の効果についても検討する。
▲
[成果の概要・特徴]
1. 日増体量は、シロップ 4 %添加により対照区と比べて有意に(p < 0.05)増加した。またシロップ 2 %添加によっても増加する傾向を示した(表 1 、図 1 )。
2. いずれの試験においても、飼料摂取量は各区間で差がなかった(図 2 )。飼料要求率は、シロップ 2 または 4 %添加で有意に(p < 0.01)改善され、 6 または 8 %添加でも改善される傾向が見られた(図 3 )。
3. シロップ 2 または 4 %添加により、粗タンパク質の消化率が有意に(p < 0.05)向上し、酸性デタージェント繊維の消化率も改善されることが示唆された。シロップ 6 または 8 %添加によっては、顕著な効果は認められなかった(図 4 )。
4. サツマイモ茎葉を飼料中乾物当たり10%配合することで、増体、飼料要求率は対照区と比べて低下する傾向が見られたが、シロップ 3 %の添加により、いずれの指標も対照区と同等の値となった(図 1 、 3 )。
5. 粗タンパク質、粗脂肪の消化率は、サツマイモ茎葉10%給与により対照区より有意に(p < 0.05)低下したが、シロップ 3 %の同時給与によれば対照区と有意な違いはなかった。また、中性デタージェント繊維、酸性デタージェント繊維(ADF)の消化率はいずれも、サツマイモ茎葉10%給与によって有意な低下がなく、シロップの給与により ADF の消化率は有意に向上した(p < 0.05 、図 4 )。
▲
[成果の活用面・留意点]
1. シロップは地域内で容易に入手でき、かつ、安価なため、養豚農家における利用及び普及が簡便である。
2. 生産量に季節格差のあるサツマイモ茎葉を、シロップとの同時給与により従来(最多で乾物当り 5 - 6 %)よりも多量に給与できることが明らかになった。
3. 試験結果の応用にあたっては、シロップの糖度に留意する必要がある。
[具体的データ]
[その他]
研 究 課 題:
ベトナムメコンデルタ地域における養豚用地域飼料資源の機能性探索とその活用
予 算 区 分: 国際プロ〔メコン飼料資源〕
研 究 期 間:
2004 年度
研究担当者:
山崎正史・Luu Huu Manh (ベトナムカントー大学)・Nguyen Nhut Xuan Dung (ベトナムカントー大学)
発表論文等:
1) Manh, L. H., Dung, N. N. X., Yamasaki, S. and Takada, R.(2003) : Effect of supplement of sweat potato vines (Ipomoea batatas (L.) lam.)with or without sugar cane syrup on performance and digestibility of growing pigs. Proceedings of the Final Workshop of JIRCAS Mekong Delta Project, 152-157."
in — 農林水産研究情報総合案内
12. メコンデルタにおける米ヌカ主体豚飼料へのサトウキビ・シロップ添加効果
〔 要約 〕米ヌカを主体とした飼料中にサトウキビ・シロップを 4 %添加することにより、豚の増体、飼料要求率が改善される。また、米ヌカを主体としながらサツマイモ茎葉を乾物当り 10%配合した飼料中にサトウキビ・シロップを 3 %添加することにより、増体、飼料要求率及び粗タンパク質、粗脂肪等の消化率が改善される。
所属 国際農林水産業研究センター・畜産草地部 連絡先 029(838)6356
推進会
議 名 国際農林水産業 専門 畜産 対象 豚 分類 国際
[ 背景・ねらい]
メコンデルタにおいて多くの豚は、米ヌカ主体の飼料を給与されている。この地域では、ヨウサイやホテイアオイ等の水生植物、サツマイモ茎葉等の農業副産物が豊富にあり、これら低利用飼料資源を飼料中に乾物当りで最大 5 - 6 %まで配合することにより、肉質の改善や飼料費の低減に役立つことが示されている(国際農林水産業研究成果情報第 11 号)。一方、サトウキビ副産物もしくは中間生産物は安価である上に、供給が安定しているため、養豚用飼料としての活用も期待されている。そこで本研究では、米ヌカ主体の飼料に、サトウキビ圧搾汁を濃縮した中間生産物のサトウキビ・シロップ(シロップ)を添加し、豚の増体、飼料要求率、消化率を調べるとともに、サツマイモ茎葉を過剰に配合した飼料へのシロップ添加の効果についても検討する。
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[成果の概要・特徴]
1. 日増体量は、シロップ 4 %添加により対照区と比べて有意に(p < 0.05)増加した。またシロップ 2 %添加によっても増加する傾向を示した(表 1 、図 1 )。
2. いずれの試験においても、飼料摂取量は各区間で差がなかった(図 2 )。飼料要求率は、シロップ 2 または 4 %添加で有意に(p < 0.01)改善され、 6 または 8 %添加でも改善される傾向が見られた(図 3 )。
3. シロップ 2 または 4 %添加により、粗タンパク質の消化率が有意に(p < 0.05)向上し、酸性デタージェント繊維の消化率も改善されることが示唆された。シロップ 6 または 8 %添加によっては、顕著な効果は認められなかった(図 4 )。
4. サツマイモ茎葉を飼料中乾物当たり10%配合することで、増体、飼料要求率は対照区と比べて低下する傾向が見られたが、シロップ 3 %の添加により、いずれの指標も対照区と同等の値となった(図 1 、 3 )。
5. 粗タンパク質、粗脂肪の消化率は、サツマイモ茎葉10%給与により対照区より有意に(p < 0.05)低下したが、シロップ 3 %の同時給与によれば対照区と有意な違いはなかった。また、中性デタージェント繊維、酸性デタージェント繊維(ADF)の消化率はいずれも、サツマイモ茎葉10%給与によって有意な低下がなく、シロップの給与により ADF の消化率は有意に向上した(p < 0.05 、図 4 )。
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[成果の活用面・留意点]
1. シロップは地域内で容易に入手でき、かつ、安価なため、養豚農家における利用及び普及が簡便である。
2. 生産量に季節格差のあるサツマイモ茎葉を、シロップとの同時給与により従来(最多で乾物当り 5 - 6 %)よりも多量に給与できることが明らかになった。
3. 試験結果の応用にあたっては、シロップの糖度に留意する必要がある。
[具体的データ]
[その他]
研 究 課 題:
ベトナムメコンデルタ地域における養豚用地域飼料資源の機能性探索とその活用
予 算 区 分: 国際プロ〔メコン飼料資源〕
研 究 期 間:
2004 年度
研究担当者:
山崎正史・Luu Huu Manh (ベトナムカントー大学)・Nguyen Nhut Xuan Dung (ベトナムカントー大学)
発表論文等:
1) Manh, L. H., Dung, N. N. X., Yamasaki, S. and Takada, R.(2003) : Effect of supplement of sweat potato vines (Ipomoea batatas (L.) lam.)with or without sugar cane syrup on performance and digestibility of growing pigs. Proceedings of the Final Workshop of JIRCAS Mekong Delta Project, 152-157."
2009年3月25日水曜日
乾燥サツマイモ主体飼料による肉牛肥育
乾燥サツマイモ主体飼料による肉牛肥育
in 農林水産研究情報総合案内:
[要約]
黒毛和種去勢牛に対しサツマイモ主体の飼料(脂肪酸カルシウムと尿素を添加)を給与することにより、粗飼料の摂取量が多く、良好な増体を示す。またロース芯面積の大きい、皮下脂肪の少ない、そして良好な食味性を有する肉質のものが生産される。
[キーワード]
カンショ、サツマイモ、肉牛、肥育
[担当]九州沖縄農研・畜産飼料作研究部・栄養生理研究室、トヨタ自動車(株)・バイオ緑化事業部
[連絡先]096-242-7747
[区分]九州沖縄農業・畜産草地
[分類]技術・参考
[背景・ねらい]
肉牛肥育用飼料穀物の調達先が北米に偏重しており、生産国の天候による価格変動など、肥育経営を不安定なものとしている。
近年、サツマイモの効率的な乾燥技術が開発されたことにより、南九州畑作地帯や近隣の亜熱帯地域での生産が可能なサツマイモが、飼料資源として再評価されることとなった。
そこで、肉牛肥育における乾燥サツマイモ利用の可能性、さらにその肥育成績に及ぼす影響などを明らかにする。
[成果の内容・特徴]
1. 乾燥サツマイモに対し、エネルギー補給のための脂肪酸カルシウムと、反芻胃内での急激な乳酸発酵を中和する易発酵性窒素源としての尿素を添加することにより、良好な肉牛肥育用の濃厚飼料(風乾物中TDN73%,CP12%)となる(表1)。
2. 同一種雄牛の産子である黒毛和種去勢牛(試験開始体重:317kg・46週齢)2頭ずつに各試験飼料を制限給与すると、サツマイモ主体飼料の60%区における粗飼料摂取量は極めて多く、良好な増体を示す(表2)。
3. サツマイモ主体飼料は尿素が0.9%配合されていたものの、60%区の血漿UN濃度が低い値で推移した(図1)。サツマイモ主体飼料中の粗蛋白は有効に利用される。
4. サツマイモ主体飼料の給与により大きな枝肉が生産される(P=0.068)。皮下脂肪はトウモロコシ主体の0%区でやや厚く、逆に体腔内脂肪は60%区で多い傾向を示す(表3)。
5. ロース芯粗脂肪含量は60%区が高く、次いで30%区となった(表3)。サツマイモ主体飼料の給与により優れた肉質のものが生産される。
6. 首都圏の主婦80人を対象にした食味評価では、しゃぶしゃぶ(ウデ部位)、焼肉(ウチモモ部位)のいずれの調理方法においても、30%区および60%区の牛肉の評価順位が優れた(表4)。すなわち、サツマイモ主体飼料で生産された牛肉は良好な食味性を有する。
[成果の活用面・留意点]
1. サツマイモ主体飼料を給与した場合、粗飼料の採食量が多くなることから、粗飼料の多量摂取による基礎的な体づくりを促進すべき肥育前期の給与濃厚飼料として特に適している。
2. 添加物の影響によるものか否か不明であるが、嗜好性が必ずしも良好ではないため、群飼の場合各牛の採食状況の把握が不可欠である。
[その他]
研究課題名: カンショの飼料化に関する研究・自給飼料給与および仕上げ肥育の早期化が牛肉中化学成分に及ぼす影響の解明
予算区分: 経常・交付金
研究期間: 1998~2000年度・2000~2003年度
研究担当者: 常石英作、柴 伸弥、松崎正敏、鳥居伸一郎、原慎一郎
in 農林水産研究情報総合案内:
[要約]
黒毛和種去勢牛に対しサツマイモ主体の飼料(脂肪酸カルシウムと尿素を添加)を給与することにより、粗飼料の摂取量が多く、良好な増体を示す。またロース芯面積の大きい、皮下脂肪の少ない、そして良好な食味性を有する肉質のものが生産される。
[キーワード]
カンショ、サツマイモ、肉牛、肥育
[担当]九州沖縄農研・畜産飼料作研究部・栄養生理研究室、トヨタ自動車(株)・バイオ緑化事業部
[連絡先]096-242-7747
[区分]九州沖縄農業・畜産草地
[分類]技術・参考
[背景・ねらい]
肉牛肥育用飼料穀物の調達先が北米に偏重しており、生産国の天候による価格変動など、肥育経営を不安定なものとしている。
近年、サツマイモの効率的な乾燥技術が開発されたことにより、南九州畑作地帯や近隣の亜熱帯地域での生産が可能なサツマイモが、飼料資源として再評価されることとなった。
そこで、肉牛肥育における乾燥サツマイモ利用の可能性、さらにその肥育成績に及ぼす影響などを明らかにする。
[成果の内容・特徴]
1. 乾燥サツマイモに対し、エネルギー補給のための脂肪酸カルシウムと、反芻胃内での急激な乳酸発酵を中和する易発酵性窒素源としての尿素を添加することにより、良好な肉牛肥育用の濃厚飼料(風乾物中TDN73%,CP12%)となる(表1)。
2. 同一種雄牛の産子である黒毛和種去勢牛(試験開始体重:317kg・46週齢)2頭ずつに各試験飼料を制限給与すると、サツマイモ主体飼料の60%区における粗飼料摂取量は極めて多く、良好な増体を示す(表2)。
3. サツマイモ主体飼料は尿素が0.9%配合されていたものの、60%区の血漿UN濃度が低い値で推移した(図1)。サツマイモ主体飼料中の粗蛋白は有効に利用される。
4. サツマイモ主体飼料の給与により大きな枝肉が生産される(P=0.068)。皮下脂肪はトウモロコシ主体の0%区でやや厚く、逆に体腔内脂肪は60%区で多い傾向を示す(表3)。
5. ロース芯粗脂肪含量は60%区が高く、次いで30%区となった(表3)。サツマイモ主体飼料の給与により優れた肉質のものが生産される。
6. 首都圏の主婦80人を対象にした食味評価では、しゃぶしゃぶ(ウデ部位)、焼肉(ウチモモ部位)のいずれの調理方法においても、30%区および60%区の牛肉の評価順位が優れた(表4)。すなわち、サツマイモ主体飼料で生産された牛肉は良好な食味性を有する。
[成果の活用面・留意点]
1. サツマイモ主体飼料を給与した場合、粗飼料の採食量が多くなることから、粗飼料の多量摂取による基礎的な体づくりを促進すべき肥育前期の給与濃厚飼料として特に適している。
2. 添加物の影響によるものか否か不明であるが、嗜好性が必ずしも良好ではないため、群飼の場合各牛の採食状況の把握が不可欠である。
[その他]
研究課題名: カンショの飼料化に関する研究・自給飼料給与および仕上げ肥育の早期化が牛肉中化学成分に及ぼす影響の解明
予算区分: 経常・交付金
研究期間: 1998~2000年度・2000~2003年度
研究担当者: 常石英作、柴 伸弥、松崎正敏、鳥居伸一郎、原慎一郎
農薬ではないはずなのに・・実は農薬か
シリーズ 「農薬の安全性を考える」
「農薬疑義資材」って知っていますか
in 農業共同組合新聞
◆1億2000万人の食料を支えてきたのは誰か
農林水産省のホームページに農薬コーナーがあることは、農薬に関わりを持つ人、関心を持つ人ならご存知だろう。そしてこのコーナーの中に「農薬疑義資材コーナー」があることもご存知だろうか。「農薬疑義資材」という聞きなれない資材とはいったいどういう資材のことをさしているのか。
このシリーズでは、さまざまな視点から農薬の安全性について、そして食料生産に果たしている役割と必要性について検証してきた。そして農薬は適正に使用されれば、消費者にも生産者にも環境にもなんらの影響を与えるものではないこと。さらに植物が自らあるいは子孫を守るためにつくる天然毒の発生を農薬が植物を外敵から守ることで抑え、結果として天然毒の人への被害を回避させていることも検証した。
しかし、一方でこれからの農業のあり方として「環境保全型農業」が提唱され、国会議員有志は議員立法で有機農業推進法を制定するなど、化学農薬や化学肥料を使わない農業へ世論を誘導しようという流れがある。
私は、個々の生産者が有機栽培や減農薬減化学肥料あるいは無農薬栽培に取り組まれることを否定するわけではない。それは個々の生産者が判断すべき問題だと考えるからだ。と同様にすべての生産者が有機栽培や無農薬栽培にすべきだという意見に同調することもできない。
なぜなら、それでは1億2000万人の食料を確保することができないからだ。江戸から明治にかけて3000万だった人口が1億人を超えるまでに増加できたのは、その人口増に見合う食料生産が可能になったからだ。だからいまこの記事を読まれているあなたもこの世に存在できているのかもしれないのだ。その食料増産を可能にしたのは、化学肥料・農薬そして農業機械の発展があったからこそだ。こうした事実に目をつむることはできない。
きわめて限定された農薬や肥料しか使用できない有機栽培やまったく農薬を使用しない無農薬栽培で農産物を生産することは、日本のような気候風土では、大変に難しい。農薬を使わずにさまざまな病害虫からどう農産物を守るか、生産者にとって日夜頭の痛いことだと想像できる。
◆自生植物からつくられた農植物保護液を使い有機JAS認証取り消し
そこにつけこんで儲けようというのが「農薬疑義資材」だ。
農水省が農薬取締法に基づいて「無登録農薬」として立ち入り検査などを行い摘発したのが、平成19年11月の三好商事(株)が製造・販売した「アグリクール」と、平成20年2月の(株)三浦グリーンビジネスが輸入・販売した「NEW碧露」「緑豊」「凱亜」だ。
三好商事の「アグリクール」は、「自生植物からつくられた“農植物保護液”」「特殊肥料」として有機農業生産者や家庭園芸家に売られていた。主原料はクララ(苦参)で「人と環境にやさしい」と製品ラベルに印刷されていた。「農薬ではありませんが、これを使うと植物が元気になり有機、減農薬栽培に最適です」と口頭で宣伝し販売されていたという。
ところがこのアグリクールを当時千葉大園芸学研究科の本山直樹教授(現:東京農大客員教授)の研究室が分析したところ、国内の農薬登録が無く、農取法で輸入や国内販売ができない殺虫剤の「アバメクチン」が検出された。その後、農水省も三好商事のアグリクールから毒物相当(海外では登録があるが日本での登録はない)のアバメクチンを検出し、同社への立ち入り検査や製品の回収などの措置をした。
当時、農水省が処分を発表した日(平19年11月22日)に「有機農業向け散布液 禁止農薬を検出」と報道した「朝日新聞」が「全国約50の有機農産物 JAS認証機関に聞いたところ、少なくとも10以上の有機JAS認証農家がアグリクールを使っていたと回答した」という。当然、これらの農家は、有機 JAS認証を取り消されたはずで、相当の被害を被ったことは想像できる。
◆「漢方の智恵」からも殺虫剤が検出される
(株)三浦グリーンビジネスの「NEW碧露」もクララなどの薬草を主成分とすると称し、ラベルには「天然力」と大書きされその下に「植物保護液」と書かれている。そして商品名の下には「『碧露』は植物が自然災害から身を守るために出す、有効成分を抽出・配合したものです」とあり、最後に「中国漢方の智恵と植物医学の結晶」と強調されている。
この三浦グリーンビジネスの商品についても本山教授の研究室で分析したところ、スプレータイプの「NEW碧露」からは殺虫剤のピレトリンが、乳剤タイプの「NEW碧露」からは殺虫剤のロテノンが検出された。その後、農水省もそのことを確認(「凱亜」はNEW碧露を原料とする資材)し、無登録農薬の疑いがあると立ち入り検査を行うとともに、これらの資材の自主回収や使用禁止の措置を行った。
本山教授は、15年くらい前から「植物保護液」「農薬ではない」として、有機・無農薬・減農薬栽培農家へ販売されていた農薬を混入した「農薬代替資材」(農薬疑義資材)の分析を行い、これまでにも「大活躍! 植物抽出液 ヨトウ、ネキリムシ、アオムシ、コナガ、アブラムシに卓効」と農業専門雑誌に紹介されたことがある「土壌改良剤『夢草』」と「害虫専用の天然植物保護液『ムシギエ』」に合成ピレスロイドが含まれていることを明らかにしてきた(平成7 年)。
この15年を振返って本山教授は1990年代には化学合成農薬が混入されてきたが、2000年代は検出されにくい生物由来農薬が混入される傾向にあるという。
具体的にみると90年代の「夢草」「碧露」「健草源・天」「ナースグリーン」「ムシコロ」→サイパーメリスン。「ニュームシギエ」→デルタメリスン。「健草源・空」→トリアジメホン。「健草源・地」→オキサジアゾン。
そして2000年代に入り「アグリクール」→アバメクチン。「スプレータイプNEW碧露」→ピレトリン他。「乳剤タイプNEW碧露」→ロテノン他 というように。
◆1億円の被害を出したアグリコマース社の資材に注目
そしていまもう一つ注目しているものがある。それは佐賀県にあるアグリコマース(株)が「土壌活性剤」と称して販売した「ニームオイル」という資材だ。この製品を使っていた南九州のある産地が昨年冬に出荷した野菜からピペロニルブトキシド(pbo:農薬の効力を高める協力剤)が検出され、産地は出荷物を自主回収し、ほ場などを自主点検し、安全性が確認されるまで約1週間出荷を停止し、約1億円の損害を出したという事件が起きた。
このアグリコマース社の「ニームオイル」についても本山教授の研究室が分析したところ、殺虫剤のアバメクチンが検出されたと今年の1月9日に公表し、新聞などでも報道された。
その後、2月25日に農水省は「当該資材を入手し分析したところ、ピペロニルブトキシドは検出されたものの、その濃度は農薬としての薬効を示す濃度と比較して著しく低かった」「ピペロニルブトキシド以外の農薬成分は不検出(検出限界<0.1%)」「アバメクチンも不検出(検出限界<0.02%)」だった。つまり本山教授が指摘したアバメクチンは混入されていなかったと発表。
そしてこの資材は「無登録農薬とは判断されませんが、本来混入することのない」pboが検出されたので混入原因や目的を確認するために「調査を実施」したこともあわせて発表した。これは、無登録農薬ではないが、疑わしいものが混入していたので「調査」したということで、従来よりも「一歩踏み出した」ものと農水省の姿勢は評価していいだろう。
しかし、本紙では、なぜ本山教授と農水省の分析結果が異なるのか。本山教授はさらに調査分析を行っており、その結果をまって再度この問題を検証する予定だ。
なぜならば、このままでは、この資材を使うことで1億円の被害が生じた産地は、その損害を誰にも請求できなくなるからだ。
また、こうした資材を使うことの危険性を生産者にきちんと理解してもらう必要があると考えるからだ。
「農薬疑義資材」って知っていますか
in 農業共同組合新聞
◆1億2000万人の食料を支えてきたのは誰か
農林水産省のホームページに農薬コーナーがあることは、農薬に関わりを持つ人、関心を持つ人ならご存知だろう。そしてこのコーナーの中に「農薬疑義資材コーナー」があることもご存知だろうか。「農薬疑義資材」という聞きなれない資材とはいったいどういう資材のことをさしているのか。
このシリーズでは、さまざまな視点から農薬の安全性について、そして食料生産に果たしている役割と必要性について検証してきた。そして農薬は適正に使用されれば、消費者にも生産者にも環境にもなんらの影響を与えるものではないこと。さらに植物が自らあるいは子孫を守るためにつくる天然毒の発生を農薬が植物を外敵から守ることで抑え、結果として天然毒の人への被害を回避させていることも検証した。
しかし、一方でこれからの農業のあり方として「環境保全型農業」が提唱され、国会議員有志は議員立法で有機農業推進法を制定するなど、化学農薬や化学肥料を使わない農業へ世論を誘導しようという流れがある。
私は、個々の生産者が有機栽培や減農薬減化学肥料あるいは無農薬栽培に取り組まれることを否定するわけではない。それは個々の生産者が判断すべき問題だと考えるからだ。と同様にすべての生産者が有機栽培や無農薬栽培にすべきだという意見に同調することもできない。
なぜなら、それでは1億2000万人の食料を確保することができないからだ。江戸から明治にかけて3000万だった人口が1億人を超えるまでに増加できたのは、その人口増に見合う食料生産が可能になったからだ。だからいまこの記事を読まれているあなたもこの世に存在できているのかもしれないのだ。その食料増産を可能にしたのは、化学肥料・農薬そして農業機械の発展があったからこそだ。こうした事実に目をつむることはできない。
きわめて限定された農薬や肥料しか使用できない有機栽培やまったく農薬を使用しない無農薬栽培で農産物を生産することは、日本のような気候風土では、大変に難しい。農薬を使わずにさまざまな病害虫からどう農産物を守るか、生産者にとって日夜頭の痛いことだと想像できる。
◆自生植物からつくられた農植物保護液を使い有機JAS認証取り消し
そこにつけこんで儲けようというのが「農薬疑義資材」だ。
農水省が農薬取締法に基づいて「無登録農薬」として立ち入り検査などを行い摘発したのが、平成19年11月の三好商事(株)が製造・販売した「アグリクール」と、平成20年2月の(株)三浦グリーンビジネスが輸入・販売した「NEW碧露」「緑豊」「凱亜」だ。
三好商事の「アグリクール」は、「自生植物からつくられた“農植物保護液”」「特殊肥料」として有機農業生産者や家庭園芸家に売られていた。主原料はクララ(苦参)で「人と環境にやさしい」と製品ラベルに印刷されていた。「農薬ではありませんが、これを使うと植物が元気になり有機、減農薬栽培に最適です」と口頭で宣伝し販売されていたという。
ところがこのアグリクールを当時千葉大園芸学研究科の本山直樹教授(現:東京農大客員教授)の研究室が分析したところ、国内の農薬登録が無く、農取法で輸入や国内販売ができない殺虫剤の「アバメクチン」が検出された。その後、農水省も三好商事のアグリクールから毒物相当(海外では登録があるが日本での登録はない)のアバメクチンを検出し、同社への立ち入り検査や製品の回収などの措置をした。
当時、農水省が処分を発表した日(平19年11月22日)に「有機農業向け散布液 禁止農薬を検出」と報道した「朝日新聞」が「全国約50の有機農産物 JAS認証機関に聞いたところ、少なくとも10以上の有機JAS認証農家がアグリクールを使っていたと回答した」という。当然、これらの農家は、有機 JAS認証を取り消されたはずで、相当の被害を被ったことは想像できる。
◆「漢方の智恵」からも殺虫剤が検出される
(株)三浦グリーンビジネスの「NEW碧露」もクララなどの薬草を主成分とすると称し、ラベルには「天然力」と大書きされその下に「植物保護液」と書かれている。そして商品名の下には「『碧露』は植物が自然災害から身を守るために出す、有効成分を抽出・配合したものです」とあり、最後に「中国漢方の智恵と植物医学の結晶」と強調されている。
この三浦グリーンビジネスの商品についても本山教授の研究室で分析したところ、スプレータイプの「NEW碧露」からは殺虫剤のピレトリンが、乳剤タイプの「NEW碧露」からは殺虫剤のロテノンが検出された。その後、農水省もそのことを確認(「凱亜」はNEW碧露を原料とする資材)し、無登録農薬の疑いがあると立ち入り検査を行うとともに、これらの資材の自主回収や使用禁止の措置を行った。
本山教授は、15年くらい前から「植物保護液」「農薬ではない」として、有機・無農薬・減農薬栽培農家へ販売されていた農薬を混入した「農薬代替資材」(農薬疑義資材)の分析を行い、これまでにも「大活躍! 植物抽出液 ヨトウ、ネキリムシ、アオムシ、コナガ、アブラムシに卓効」と農業専門雑誌に紹介されたことがある「土壌改良剤『夢草』」と「害虫専用の天然植物保護液『ムシギエ』」に合成ピレスロイドが含まれていることを明らかにしてきた(平成7 年)。
この15年を振返って本山教授は1990年代には化学合成農薬が混入されてきたが、2000年代は検出されにくい生物由来農薬が混入される傾向にあるという。
具体的にみると90年代の「夢草」「碧露」「健草源・天」「ナースグリーン」「ムシコロ」→サイパーメリスン。「ニュームシギエ」→デルタメリスン。「健草源・空」→トリアジメホン。「健草源・地」→オキサジアゾン。
そして2000年代に入り「アグリクール」→アバメクチン。「スプレータイプNEW碧露」→ピレトリン他。「乳剤タイプNEW碧露」→ロテノン他 というように。
◆1億円の被害を出したアグリコマース社の資材に注目
そしていまもう一つ注目しているものがある。それは佐賀県にあるアグリコマース(株)が「土壌活性剤」と称して販売した「ニームオイル」という資材だ。この製品を使っていた南九州のある産地が昨年冬に出荷した野菜からピペロニルブトキシド(pbo:農薬の効力を高める協力剤)が検出され、産地は出荷物を自主回収し、ほ場などを自主点検し、安全性が確認されるまで約1週間出荷を停止し、約1億円の損害を出したという事件が起きた。
このアグリコマース社の「ニームオイル」についても本山教授の研究室が分析したところ、殺虫剤のアバメクチンが検出されたと今年の1月9日に公表し、新聞などでも報道された。
その後、2月25日に農水省は「当該資材を入手し分析したところ、ピペロニルブトキシドは検出されたものの、その濃度は農薬としての薬効を示す濃度と比較して著しく低かった」「ピペロニルブトキシド以外の農薬成分は不検出(検出限界<0.1%)」「アバメクチンも不検出(検出限界<0.02%)」だった。つまり本山教授が指摘したアバメクチンは混入されていなかったと発表。
そしてこの資材は「無登録農薬とは判断されませんが、本来混入することのない」pboが検出されたので混入原因や目的を確認するために「調査を実施」したこともあわせて発表した。これは、無登録農薬ではないが、疑わしいものが混入していたので「調査」したということで、従来よりも「一歩踏み出した」ものと農水省の姿勢は評価していいだろう。
しかし、本紙では、なぜ本山教授と農水省の分析結果が異なるのか。本山教授はさらに調査分析を行っており、その結果をまって再度この問題を検証する予定だ。
なぜならば、このままでは、この資材を使うことで1億円の被害が生じた産地は、その損害を誰にも請求できなくなるからだ。
また、こうした資材を使うことの危険性を生産者にきちんと理解してもらう必要があると考えるからだ。
2009年3月14日土曜日
農業研修:ボスニア・ヘルツェゴビナの4人、来県
農業研修:ボスニア・ヘルツェゴビナの4人、来県
in 毎日新聞
◇JICAの開発プロジェクトで 「これからの活動に役立たせたい」
独立行政法人国際協力機構(JICA)がボスニア・ヘルツェゴビナを対象に行う「農業・農村開発プロジェクトカウンターパート研修」に参加する同国の研修員4人が2日、農業を学ぶために来県した。
来県したのは、同国スレブレニッツァ市スケラニ出張所長のブラゴミル・ヨヴァノヴィッチさん(50)をはじめ、同市職員やNGO代表ら。この日、福田哲也・県文化スポーツ立県局長を表敬訪問した。ヨヴァノヴィッチさんは、90年代の民族紛争に触れながら「(同国を構成する)三つの民族は、信頼を再構築し、近代的で民主的な市民社会のモデルにならなければならない」と述べ、「ここで学ぶことは私たちの活動に必ず役立つと確信している」と意気込んだ。
東欧のボスニア・ヘルツェゴビナでは90年代に大規模な民族紛争が発生。特に同市は大きな被害を受けた。紛争以前の生計手段を取り戻すべく、農業を含む経済基盤の立て直しが望まれている。一行は6日まで海陽町や上勝町、佐那河内村などを訪れ、徳島の農業について研修を受ける予定。
in 毎日新聞
◇JICAの開発プロジェクトで 「これからの活動に役立たせたい」
独立行政法人国際協力機構(JICA)がボスニア・ヘルツェゴビナを対象に行う「農業・農村開発プロジェクトカウンターパート研修」に参加する同国の研修員4人が2日、農業を学ぶために来県した。
来県したのは、同国スレブレニッツァ市スケラニ出張所長のブラゴミル・ヨヴァノヴィッチさん(50)をはじめ、同市職員やNGO代表ら。この日、福田哲也・県文化スポーツ立県局長を表敬訪問した。ヨヴァノヴィッチさんは、90年代の民族紛争に触れながら「(同国を構成する)三つの民族は、信頼を再構築し、近代的で民主的な市民社会のモデルにならなければならない」と述べ、「ここで学ぶことは私たちの活動に必ず役立つと確信している」と意気込んだ。
東欧のボスニア・ヘルツェゴビナでは90年代に大規模な民族紛争が発生。特に同市は大きな被害を受けた。紛争以前の生計手段を取り戻すべく、農業を含む経済基盤の立て直しが望まれている。一行は6日まで海陽町や上勝町、佐那河内村などを訪れ、徳島の農業について研修を受ける予定。
さつまいもでん粉かすおよび廃液の有効利用
ALIC さつまいもでん粉かすおよび廃液の有効利用技術の開発
in でん粉情報
[2008年2月]
【試験・研究】
さつまいもでん粉かすおよび廃液の有効利用技術の開発
鹿児島県農産物加工研究指導センター
1 はじめに
鹿児島県のさつまいも生産量の約4割はでん粉原料用であり、でん粉製造過程で約3万トンのでん粉かすが発生しています。でん粉かすの約6割はクエン酸原料、畜産飼料として、約4割は堆肥原料、畑地還元等で利用されていますが、新たな用途開発による更なる有効活用が課題となっています。
また、でん粉原料用さつまいもについては、平成19年度から新たな経営安定対策の導入により、最低生産者価格(原料基準価格)が廃止され、市場の需給動向を反映した取引価格が形成される制度へ移行しました。新たな対策では、最大限の合理化を条件として、でん粉製造事業者への政策支援が行われることとなっており、でん粉工場の近代化やでん粉製造コストの低減が課題となっています。
一方、農林水産業や食品産業において多量に発生する未・低利用形態の副産物・廃棄物の有効利用を図るため、物理・化学的処理や生物的機能付加処理を用いて特性変換を行い、有用物質の抽出などの再資源化技術を開発し、バイオマスの多段階利用によるモデル構築とその経済面・環境面の評価を行うことを目的として、平成15~18年度に農林水産バイオリサイクル研究が実施されました。
鹿児島県農産物加工研究指導センターでは、有用物質の再資源化技術開発の一環として、でん粉かすの更なる有効活用や、これまで廃棄されていた廃液の有効活用による低コスト化と環境負荷軽減を図る「さつまいもでん粉かすおよび廃液の有効利用技術の開発」に取り組みました。本研究は、独立行政法人農業・食品産業技術研究機構九州沖縄農業研究センターから委託され、複数の民間企業と共同で実施しました。
ここでは、本研究に関するパイロットプラントにおける実証試験の結果について、その概要を紹介します。
2 研究目的
さつまいもでん粉かすや廃液には、β-アミラーゼや食物繊維が含まれている。
β-アミラーゼは、でん粉を分解し、麦芽糖をつくる酵素で、お菓子やパンなどに、硬くなるのを防ぐ老化防止剤として添加されるほか、食感改良やつなぎ剤、水分調整剤など様々な食品で利用されている。
食物繊維には整腸作用があり、生活習慣病予防などに効果がある。
今回の研究は、これらの有用成分を効率的に回収・利用するプロセスを開発することを目的としている。
β-アミラーゼは、でん粉廃液から回収することも可能だが、このままでは大量の水で薄まり、回収効率が悪くコスト高となることから、水を加えないででん粉とβ-アミラーゼと食物繊維を分離する「無水磨砕遠心脱水装置」を考案した。この装置は家庭用のジューサーを大型化したようなもので、これを組み入れたβ-アミラーゼ回収プロセスを検討した。
食物繊維については、生分解性の農業用資材への利用や食物繊維素材として利用するために、でん粉かすから搾りきれずにまだ残っているでん粉や不純物を除去するためのでん粉かす精製プロセスを検討した。
3 実証方法
鹿児島県内のでん粉工場の隣に実証プラントを設置した。
β-アミラーゼ回収ラインとして、前述した「無水磨砕遠心脱水装置」に加えて、得られた搾汁液中に混入しているでん粉を取り除いて分離液を回収する「磨砕汁でん粉分離装置」、液中に含まれるβ-アミラーゼ以外の蛋白質を沈殿させ、遠心分離で取り除く「変性蛋白分離装置」、液を濃縮して高濃度のβ-アミラーゼ液を回収する「酵素濃縮用限外ろ過膜装置」を設けた。
また、でん粉かす精製ラインとしては、でん粉かすに残っているでん粉を酵素で糖化して溶かす「糖化装置」、糖になったでん粉を洗い流す「でん粉かす精製装置」、精製したでん粉かすの余分な水分を落とす「かす脱水装置」、熱風で粉末状に乾燥する「気流乾燥装置」を設置した。そして、これらの装置の効率的な運転条件を明らかにするとともに装置の改良やラインの見直しを行った。
製造コストは、1日8時間当たり8トンのいもを処理するとして試算した。β-アミラーゼは、液状と粉末状の2種類の製品について、また、でん粉かすは、紙マルチやポット等の農業資材素材用に配合する「非精製かす」(一次乾燥かす)と食物繊維素材用の「精製かす」の製造コストについて試算した。これらは、生のでん粉かす(新鮮かす)や貯蔵したでん粉かす(貯留かす)、長期保存のために乾燥したでん粉かすなど、異なる原料を用いた場合で試算した。
4 実証結果
(1) β-アミラーゼ回収プロセスの構築
1) 装置の改良
当初設置した「無水磨砕遠心脱水装置」による搾汁率は、17%程度と予想より低い値となった。そこで、搾汁率向上のため、いもと磨砕歯の接触部分を拡大する改良を実施することで、表1に示すように搾汁率(でん粉を含む)が20%に向上した。さらに、「無水磨砕遠心脱水装置」の後に「かす脱水装置」での搾汁工程を挿入することで、磨砕物の粒子が細かくなり、搾汁率が50%に向上した。
2)β-アミラーゼ回収率の向上
β-アミラーゼの回収率向上の結果も表1に示す。原料いものβ-アミラーゼ量を100%とすると、「無水磨砕遠心脱水装置」のみの磨砕液のβ-アミラーゼ回収率49%に対して、「かす脱水装置」による圧搾液の回収率は32%で、無水磨砕と併せて81%となり、前述の改良によりβ-アミラーゼの回収率が向上した。
3)液状のβーアミラーゼ製剤
液状のβ-アミラーゼ製剤は、できるだけ澄んだ液が望まれる。そこで、液の清澄化について検討した。
表2に示すように、エタノール、炭酸カルシウム、防腐剤として安息香酸ナトリウムおよびソルビン酸カリウムを添加し、13日間常温貯蔵した結果、エタノール15%区を除いてpHは4.5前後に低下し、β-アミラーゼの失活は小さく、固液分離は促進され、ろ過状態が良好となった。なお、pHの低下は乳酸の蓄積によるもので、これまでの酸を添加するpH調製法に代わる有望な方法であると考えた。
4)粉末状のβ-アミラーゼ製剤
粉末状のβ-アミラーゼ製剤の供給形態を考慮し、濃縮液を乾燥でん粉かすに吸着させた粉末状のβ-アミラーゼ製剤を作製し、その酵素活性ができるだけ長く維持される方法について検討した。
表3に示すように、貯蔵温度が粉末状のβ-アミラーゼ製剤の酵素失活に及ぼす影響は大きく、35℃では急速に失活した。しかしながら、10℃貯蔵では180日後でも77~68%残存しており、酵素活性維持のためには、低温貯蔵の必要性が明らかになった。なお、本試験で製造した粉末状のβ-アミラーゼ製剤は、糖化メーカーからも市販品と遜色ないと評価された。
5)β-アミラーゼ回収プロセスと製造コスト
さつまいもから作られる液状のβ-アミラーゼ製剤は、図1に示すように、1)無水磨砕遠心脱水→2)かす脱水→3)磨砕汁でん粉分離→4)膜濃縮→5)変性蛋白分離プロセスで製造される。また、粉末状のβ-アミラーゼ製剤は、1)→2)→3)の工程後、でん粉かすに酵素濃縮液を吸着させた酵素製剤を乾燥させて製造することになる。当初計画からすると「かす脱水装置」と「乾燥装置」を追加することになったが、両装置とも本プロセスと同時に実施する「でん粉かすの精製」に使用する機材であり設備費増は生じない。
こうして製造した液状のβーアミラーゼ製剤の基となる粗酵素液の1リットル当たりのコストは、β-アミラーゼ活性の高い品種である九州140号を原料とした場合で367円、シロユタカでは917円となった。また、粉末状のβーアミラーゼ製剤の1キログラム当たりの製造コストは366円と試算された。これらは、酵素メーカーが望む製造コスト1,000円以下をクリアするものとなった。
(2) でん粉かす精製プロセスの構築
1) 糖化装置による効率的な糖の除去
まず、糖化に必要な酵素の添加量について検討した。その結果を表4に示す。 でん粉除去率は、酵素を添加しない区で67%、酵素標準量の1/2量区で77%、5倍量で79%と酵素の添加量の違いは糖化に大きな影響を与えなかったことから、糖化時の酵素添加量は標準量の1/2量で良いことが明らかになった。
次に、「糖化装置」で糖化して溶け出した糖をでん粉かすから除去するためには、「でん粉かす精製装置」でどの程度洗浄する必要があるかについて検討した。その結果を図2に示す。
約1m3の水による3回目の洗浄で洗浄廃液中のグルコース量が大幅に低下したことから、3回以上の洗浄が必要と考えられる。
2) 大量供給体制の検討
生分解性農業用資材への利用のための非精製かす(一次乾燥かす)や、食物繊維素材となる精製かすを大量供給し、コストを削減するためには、でん粉工場操業時期に排出される新鮮かすだけでなく、貯留かすを活用する必要がある。そこで、貯留かす利用の際、特に問題となる悪臭の防止について検討した。
その結果、表5に示すように、生でん粉かす60日貯蔵の吉草酸(悪臭の原因)は硫酸1.2Nレベルで大幅に減少し、硫酸の添加で貯留かすの悪臭は防止できることが明らかになった。
(3)でん粉かす精製プロセスと製造コスト
貯留かすは新鮮かすに比べて、脱水しにくく、そのために乾燥効率も新鮮かすの約70%にとどまったが、一次乾燥かすの1キログラム当たりの製造コストを試算したところ、新鮮かす(60日操業)使用場合の101円に対し、貯留かす併用(新鮮かす60日+貯留かす120日の計180日操業)の場合は78円となり、貯留かすも乾燥素材として十分利用できると判断した。
さつまいもでん粉かすから食物繊維素材となる精製かすは、図3に示すように、1)糖化→2)でん粉かす精製→3)かす脱水→4)乾燥ラインで製造される。このうち、1)糖化は加熱後冷却に一晩放置する必要があるため、これが作業効率の上でネックになる。しかしながら、この課題は、糖化槽を増やすことで解決できる。このようにして製造コストを試算すると、そのコストは糖化槽の数と原料かすの種類により異なり、新鮮かす使用で糖化槽1基では1キログラム当たり494円、貯留かす使用で糖化槽1基では275円、糖化槽2基では164円、一次乾燥かす使用で糖化槽1基では376円となった。
5 おわりに
構築したβ-アミラーゼ回収プロセスとでん粉かす精製プロセスを既設のでん粉工場に組み込んだ「さつまいもでん粉かす及び廃液の有効利用システム」の概念は図4に示すとおりである。
でん粉製造工程に本システムを取り入れることで、廃液からはでん粉製造に併せβ-アミラーゼ製剤や調味液などが、でん粉かすからは農業用資材や食物繊維が製造され、副産物のほとんどが有効活用され、いわゆるゼロエミッション化が図られることになる。
でん粉工場における1工場、1シーズン当たりで生じる廃液の処理費用は500~1,000万円、でん粉かす処理にかかる費用は200万円程度である。本システムの導入で、この費用が削減される上、でん粉かす、β-アミラーゼ製剤や食物繊維を製品素材としてメーカーに販売することで低コスト化と環境負荷軽減が図られる。
現在、この研究に参画した民間企業では、このシステムで製造されたβーアミラーゼ製剤を用いた酵素製品の開発、一次乾燥かすを利用した生分解性紙マルチや緑茶殻との複合抗菌性機能紙を用いた紙オムツの商品化、精製かすの健康食品素材としての食物繊維への利用に取り組んでいるところである。今後、新たな商品が開発されることで、でん粉製造残さの用途拡大がなされ、でん粉産業の活性化が期待される。
in でん粉情報
[2008年2月]
【試験・研究】
さつまいもでん粉かすおよび廃液の有効利用技術の開発
鹿児島県農産物加工研究指導センター
1 はじめに
鹿児島県のさつまいも生産量の約4割はでん粉原料用であり、でん粉製造過程で約3万トンのでん粉かすが発生しています。でん粉かすの約6割はクエン酸原料、畜産飼料として、約4割は堆肥原料、畑地還元等で利用されていますが、新たな用途開発による更なる有効活用が課題となっています。
また、でん粉原料用さつまいもについては、平成19年度から新たな経営安定対策の導入により、最低生産者価格(原料基準価格)が廃止され、市場の需給動向を反映した取引価格が形成される制度へ移行しました。新たな対策では、最大限の合理化を条件として、でん粉製造事業者への政策支援が行われることとなっており、でん粉工場の近代化やでん粉製造コストの低減が課題となっています。
一方、農林水産業や食品産業において多量に発生する未・低利用形態の副産物・廃棄物の有効利用を図るため、物理・化学的処理や生物的機能付加処理を用いて特性変換を行い、有用物質の抽出などの再資源化技術を開発し、バイオマスの多段階利用によるモデル構築とその経済面・環境面の評価を行うことを目的として、平成15~18年度に農林水産バイオリサイクル研究が実施されました。
鹿児島県農産物加工研究指導センターでは、有用物質の再資源化技術開発の一環として、でん粉かすの更なる有効活用や、これまで廃棄されていた廃液の有効活用による低コスト化と環境負荷軽減を図る「さつまいもでん粉かすおよび廃液の有効利用技術の開発」に取り組みました。本研究は、独立行政法人農業・食品産業技術研究機構九州沖縄農業研究センターから委託され、複数の民間企業と共同で実施しました。
ここでは、本研究に関するパイロットプラントにおける実証試験の結果について、その概要を紹介します。
2 研究目的
さつまいもでん粉かすや廃液には、β-アミラーゼや食物繊維が含まれている。
β-アミラーゼは、でん粉を分解し、麦芽糖をつくる酵素で、お菓子やパンなどに、硬くなるのを防ぐ老化防止剤として添加されるほか、食感改良やつなぎ剤、水分調整剤など様々な食品で利用されている。
食物繊維には整腸作用があり、生活習慣病予防などに効果がある。
今回の研究は、これらの有用成分を効率的に回収・利用するプロセスを開発することを目的としている。
β-アミラーゼは、でん粉廃液から回収することも可能だが、このままでは大量の水で薄まり、回収効率が悪くコスト高となることから、水を加えないででん粉とβ-アミラーゼと食物繊維を分離する「無水磨砕遠心脱水装置」を考案した。この装置は家庭用のジューサーを大型化したようなもので、これを組み入れたβ-アミラーゼ回収プロセスを検討した。
食物繊維については、生分解性の農業用資材への利用や食物繊維素材として利用するために、でん粉かすから搾りきれずにまだ残っているでん粉や不純物を除去するためのでん粉かす精製プロセスを検討した。
3 実証方法
鹿児島県内のでん粉工場の隣に実証プラントを設置した。
β-アミラーゼ回収ラインとして、前述した「無水磨砕遠心脱水装置」に加えて、得られた搾汁液中に混入しているでん粉を取り除いて分離液を回収する「磨砕汁でん粉分離装置」、液中に含まれるβ-アミラーゼ以外の蛋白質を沈殿させ、遠心分離で取り除く「変性蛋白分離装置」、液を濃縮して高濃度のβ-アミラーゼ液を回収する「酵素濃縮用限外ろ過膜装置」を設けた。
また、でん粉かす精製ラインとしては、でん粉かすに残っているでん粉を酵素で糖化して溶かす「糖化装置」、糖になったでん粉を洗い流す「でん粉かす精製装置」、精製したでん粉かすの余分な水分を落とす「かす脱水装置」、熱風で粉末状に乾燥する「気流乾燥装置」を設置した。そして、これらの装置の効率的な運転条件を明らかにするとともに装置の改良やラインの見直しを行った。
製造コストは、1日8時間当たり8トンのいもを処理するとして試算した。β-アミラーゼは、液状と粉末状の2種類の製品について、また、でん粉かすは、紙マルチやポット等の農業資材素材用に配合する「非精製かす」(一次乾燥かす)と食物繊維素材用の「精製かす」の製造コストについて試算した。これらは、生のでん粉かす(新鮮かす)や貯蔵したでん粉かす(貯留かす)、長期保存のために乾燥したでん粉かすなど、異なる原料を用いた場合で試算した。
4 実証結果
(1) β-アミラーゼ回収プロセスの構築
1) 装置の改良
当初設置した「無水磨砕遠心脱水装置」による搾汁率は、17%程度と予想より低い値となった。そこで、搾汁率向上のため、いもと磨砕歯の接触部分を拡大する改良を実施することで、表1に示すように搾汁率(でん粉を含む)が20%に向上した。さらに、「無水磨砕遠心脱水装置」の後に「かす脱水装置」での搾汁工程を挿入することで、磨砕物の粒子が細かくなり、搾汁率が50%に向上した。
2)β-アミラーゼ回収率の向上
β-アミラーゼの回収率向上の結果も表1に示す。原料いものβ-アミラーゼ量を100%とすると、「無水磨砕遠心脱水装置」のみの磨砕液のβ-アミラーゼ回収率49%に対して、「かす脱水装置」による圧搾液の回収率は32%で、無水磨砕と併せて81%となり、前述の改良によりβ-アミラーゼの回収率が向上した。
3)液状のβーアミラーゼ製剤
液状のβ-アミラーゼ製剤は、できるだけ澄んだ液が望まれる。そこで、液の清澄化について検討した。
表2に示すように、エタノール、炭酸カルシウム、防腐剤として安息香酸ナトリウムおよびソルビン酸カリウムを添加し、13日間常温貯蔵した結果、エタノール15%区を除いてpHは4.5前後に低下し、β-アミラーゼの失活は小さく、固液分離は促進され、ろ過状態が良好となった。なお、pHの低下は乳酸の蓄積によるもので、これまでの酸を添加するpH調製法に代わる有望な方法であると考えた。
4)粉末状のβ-アミラーゼ製剤
粉末状のβ-アミラーゼ製剤の供給形態を考慮し、濃縮液を乾燥でん粉かすに吸着させた粉末状のβ-アミラーゼ製剤を作製し、その酵素活性ができるだけ長く維持される方法について検討した。
表3に示すように、貯蔵温度が粉末状のβ-アミラーゼ製剤の酵素失活に及ぼす影響は大きく、35℃では急速に失活した。しかしながら、10℃貯蔵では180日後でも77~68%残存しており、酵素活性維持のためには、低温貯蔵の必要性が明らかになった。なお、本試験で製造した粉末状のβ-アミラーゼ製剤は、糖化メーカーからも市販品と遜色ないと評価された。
5)β-アミラーゼ回収プロセスと製造コスト
さつまいもから作られる液状のβ-アミラーゼ製剤は、図1に示すように、1)無水磨砕遠心脱水→2)かす脱水→3)磨砕汁でん粉分離→4)膜濃縮→5)変性蛋白分離プロセスで製造される。また、粉末状のβ-アミラーゼ製剤は、1)→2)→3)の工程後、でん粉かすに酵素濃縮液を吸着させた酵素製剤を乾燥させて製造することになる。当初計画からすると「かす脱水装置」と「乾燥装置」を追加することになったが、両装置とも本プロセスと同時に実施する「でん粉かすの精製」に使用する機材であり設備費増は生じない。
こうして製造した液状のβーアミラーゼ製剤の基となる粗酵素液の1リットル当たりのコストは、β-アミラーゼ活性の高い品種である九州140号を原料とした場合で367円、シロユタカでは917円となった。また、粉末状のβーアミラーゼ製剤の1キログラム当たりの製造コストは366円と試算された。これらは、酵素メーカーが望む製造コスト1,000円以下をクリアするものとなった。
(2) でん粉かす精製プロセスの構築
1) 糖化装置による効率的な糖の除去
まず、糖化に必要な酵素の添加量について検討した。その結果を表4に示す。 でん粉除去率は、酵素を添加しない区で67%、酵素標準量の1/2量区で77%、5倍量で79%と酵素の添加量の違いは糖化に大きな影響を与えなかったことから、糖化時の酵素添加量は標準量の1/2量で良いことが明らかになった。
次に、「糖化装置」で糖化して溶け出した糖をでん粉かすから除去するためには、「でん粉かす精製装置」でどの程度洗浄する必要があるかについて検討した。その結果を図2に示す。
約1m3の水による3回目の洗浄で洗浄廃液中のグルコース量が大幅に低下したことから、3回以上の洗浄が必要と考えられる。
2) 大量供給体制の検討
生分解性農業用資材への利用のための非精製かす(一次乾燥かす)や、食物繊維素材となる精製かすを大量供給し、コストを削減するためには、でん粉工場操業時期に排出される新鮮かすだけでなく、貯留かすを活用する必要がある。そこで、貯留かす利用の際、特に問題となる悪臭の防止について検討した。
その結果、表5に示すように、生でん粉かす60日貯蔵の吉草酸(悪臭の原因)は硫酸1.2Nレベルで大幅に減少し、硫酸の添加で貯留かすの悪臭は防止できることが明らかになった。
(3)でん粉かす精製プロセスと製造コスト
貯留かすは新鮮かすに比べて、脱水しにくく、そのために乾燥効率も新鮮かすの約70%にとどまったが、一次乾燥かすの1キログラム当たりの製造コストを試算したところ、新鮮かす(60日操業)使用場合の101円に対し、貯留かす併用(新鮮かす60日+貯留かす120日の計180日操業)の場合は78円となり、貯留かすも乾燥素材として十分利用できると判断した。
さつまいもでん粉かすから食物繊維素材となる精製かすは、図3に示すように、1)糖化→2)でん粉かす精製→3)かす脱水→4)乾燥ラインで製造される。このうち、1)糖化は加熱後冷却に一晩放置する必要があるため、これが作業効率の上でネックになる。しかしながら、この課題は、糖化槽を増やすことで解決できる。このようにして製造コストを試算すると、そのコストは糖化槽の数と原料かすの種類により異なり、新鮮かす使用で糖化槽1基では1キログラム当たり494円、貯留かす使用で糖化槽1基では275円、糖化槽2基では164円、一次乾燥かす使用で糖化槽1基では376円となった。
5 おわりに
構築したβ-アミラーゼ回収プロセスとでん粉かす精製プロセスを既設のでん粉工場に組み込んだ「さつまいもでん粉かす及び廃液の有効利用システム」の概念は図4に示すとおりである。
でん粉製造工程に本システムを取り入れることで、廃液からはでん粉製造に併せβ-アミラーゼ製剤や調味液などが、でん粉かすからは農業用資材や食物繊維が製造され、副産物のほとんどが有効活用され、いわゆるゼロエミッション化が図られることになる。
でん粉工場における1工場、1シーズン当たりで生じる廃液の処理費用は500~1,000万円、でん粉かす処理にかかる費用は200万円程度である。本システムの導入で、この費用が削減される上、でん粉かす、β-アミラーゼ製剤や食物繊維を製品素材としてメーカーに販売することで低コスト化と環境負荷軽減が図られる。
現在、この研究に参画した民間企業では、このシステムで製造されたβーアミラーゼ製剤を用いた酵素製品の開発、一次乾燥かすを利用した生分解性紙マルチや緑茶殻との複合抗菌性機能紙を用いた紙オムツの商品化、精製かすの健康食品素材としての食物繊維への利用に取り組んでいるところである。今後、新たな商品が開発されることで、でん粉製造残さの用途拡大がなされ、でん粉産業の活性化が期待される。
2009年3月13日金曜日
飼料作物の乾燥機に関する研究 (第2報) : 多段落下式乾燥機による牧草の乾燥
CiNii - 飼料作物の乾燥機に関する研究 (第2報) : 多段落下式乾燥機による牧草の乾燥
in 国立情報学研究所 論文情報ナビゲータ
in 国立情報学研究所 論文情報ナビゲータ
"収録誌
神戸大学農学部研究報告
The science reports of Faculty of Agriculture, Kobe University
Vol.11, No.2(19750000) pp. 279-285
神戸大学 ISSN:04522370
書誌情報
飼料作物の乾燥機に関する研究 (第2報) : 多段落下式乾燥機による牧草の乾燥
Studies on the Drying Machine of Forage and Grain (Part 2) : Drying of Pasture Plants by Multi-Layer Passing Type Dryer
山下 律也 1 松井 範義 2
Yamashita Ritsuya 1 Matsui Noriyoshi 2
1神戸大学農学部農産機械学研究室 2神戸大学農学部附属農場
抄録
刈取り直後の牧草は高水分でしかも容量が大きいので, 能率的な機械乾燥が難しいとされている。本実験は高温で乾かし, 風量をできるだけ多くとることによって能率を高め, かつ排気熱損失を最小限にすることをねらった研究である。このため多段落下型乾燥機を試作し実用化についての検討を行なった。1) 各層から落下させる時, 凹凸が生じると乾きむらや排気熱損失が大きくなるので, 落下機構について考える必要がある。2) 均等に落下せしめる方法として落下補助棒をシャッターに使用したところ完全に落下させることができた。3) 高水分材料に対する風量水分比は0.64m^3/sec・kgを採用しても熱損失は生じない。また見かけの平均風速は0.5m/sec以下におさえる必要がある。4) 6.5m^2の多段落下型乾燥機の能率は含水比300%(W.B.75%)の材料を使用した時約400kg/hrである。また天日乾燥した含水比100%のものは1.5倍(乾後材料で3倍)の能率にすることができる。"
2009年3月10日火曜日
葉もの野菜の残りを、畜産飼料とする際の注意
CiNii - そ菜残葉の化学的組成とその飼料価値
: "千葉大学園芸学部学術報告
The Technical Bulletin of Faculty of Horticulture, Chiba University
Vol.24(19761130) pp. 27-32
千葉大学 ISSN:00693227
書誌情報
そ菜残葉の化学的組成とその飼料価値
Chemical Composition, Digestibility and Nutritive Value in Residual leaves of Vegetables for Pig Feeds
吉本 正 1 松原 延彦 2
YOSHIMOTO Tadashi 1 MATSUBARA Nobuhiko 2
1畜産学研究室 2畜産学研究室
1Laboratory of Animal Science 2Laboratory of Animal Science
抄録
: "千葉大学園芸学部学術報告
The Technical Bulletin of Faculty of Horticulture, Chiba University
Vol.24(19761130) pp. 27-32
千葉大学 ISSN:00693227
書誌情報
そ菜残葉の化学的組成とその飼料価値
Chemical Composition, Digestibility and Nutritive Value in Residual leaves of Vegetables for Pig Feeds
吉本 正 1 松原 延彦 2
YOSHIMOTO Tadashi 1 MATSUBARA Nobuhiko 2
1畜産学研究室 2畜産学研究室
1Laboratory of Animal Science 2Laboratory of Animal Science
抄録
そ菜残葉の養豚飼料としての価値を検討するために,カブ,キャベツ,コカブ,コマツナおよびニンジンについて各部位別にその化学的組成,総エネルギーおよびミネラル含量を測定し,また構造性炭水化物の分画を行なった.カブ茎葉とキャベツ外葉については,一代雑種豚(平均体重76kg)3頭を用いて消化試験を行なった.その結果は次のとおりであった.1.化学的組成を茎葉についてみると原物では水分が多く91~93%を占めるため各栄養素量は低く,粗蛋白質が1.0~2.5%,粗脂肪が0.2~0.5%,粗繊維は0.8~1.9%,可溶無窒素物は3.0~5.3%,粗灰分は0.8~1.7%であった,これを風乾物に調製すると高蛋白質低繊維の良好な飼料であることが認められた.2.構造性炭水化物の総量は29.9~41.7%であり粗飼料としては少ない値であった.セルロース含量はキャベツ茎部,カブ茎葉および根部にやや多く,へミセルロースはコカブ茎葉,コマツナ茎葉,キャベツ葉球,同茎部,ニンジン茎葉およぴキャベツ外葉に多かった.反芻獣はセルロースをよく消化し,豚はへミセルロースの消化がよいという報告があり,今後,検討を要する問題であろう.3.カブ茎葉およびキャベツ外葉の消化率は有機物が69%および73%,総エネルギーが64%および70%であり,高い消化率を示した.その栄養価をDCPおよびTDNで示すとカブ茎葉のDCPは1.4%(乾物16.0%),TDNは5.4%(59.2%)であり,キャベツ外葉のそれは0.9%(10.1%)および5.8%(62.6%)であった.DCPの含量は良好であり,特にカブ茎葉において高いが,TDNがやや少ない飼料と言えよう.4.カブ茎葉およびキャベツ外葉の収量は10a当りに換算すると2033kgおよび2535kgであり,これを風乾物に調製した結果は208kgおよび268kgであった.今後,さらに他のそ菜についての利用法およびそれらの貯蔵調製法を検討する必要があろう.
2009年3月9日月曜日
キャベツ 加工法 ザワークラウトの作り方
ザワークラウトの作り方・レシピ - [男の料理]
in All About
材料
<ザワークラウトの材料>
キャベツ 1kg
塩 10g
キャラウェイシード 小さじ1/2
ローリエ 1枚
※好みで、黒粒コショウ、トウガラシ、ディルシードなどを加えても良いでしょう。
<ザワークラウトの煮込み>(3~4人前)
ザワークラウト 500g
タマネギ 半個
ラード又はサラダ油 少々
クローブ 1粒
ローリエ 1枚
オールスパイス(なくても可) 1粒
ジュニパーベリー(なくても可) 5粒
アイスバインの茹で汁(又はブイヨン) 200cc
塩、コショウ 適宜
作り方
漬ける
キャベツは芯を取って千切りにし、塩とキャラウェイ、ローリエを加えてよく揉みます。
これを漬物用の容器に詰め、上にキャベツの外葉をかぶせて2kgぐらいの重石をします。水が上がってきたら、重石は軽くします。
できあがり
キャベツが酸っぱくなったらできあがりです。暖かい時期なら数日、冬なら半月ぐらいかかると思います。
ザワークラウトを洗う
できあがったザワークラウトを水で洗って酸味を減らします。さらに酸味を取りたければ、そのまま水に漬けて30分から1時間ほど置きます。
酸味を取ったら、手でぎゅっと絞って水気を取り、ザルにあげておきます。
たまねぎを炒める
鍋にラードかサラダ油少々を入れ、みじん切りにしたタマネギを加えて炒めます。
できあがり
タマネギがやわらかくなり、軽く色づいてきたら、ザワークラウトとスパイス類を加えて全体をさっと混ぜ合わせます。
そこにアイスバインの茹で汁を加え、蓋をして弱火で30分ほど煮込みます。
アイスバインが煮汁を吸い、柔らかくなったらできあがりです。
クローブ、ローリエ、オールスパイスは取り除いて供します。"
in All About
材料
<ザワークラウトの材料>
キャベツ 1kg
塩 10g
キャラウェイシード 小さじ1/2
ローリエ 1枚
※好みで、黒粒コショウ、トウガラシ、ディルシードなどを加えても良いでしょう。
<ザワークラウトの煮込み>(3~4人前)
ザワークラウト 500g
タマネギ 半個
ラード又はサラダ油 少々
クローブ 1粒
ローリエ 1枚
オールスパイス(なくても可) 1粒
ジュニパーベリー(なくても可) 5粒
アイスバインの茹で汁(又はブイヨン) 200cc
塩、コショウ 適宜
作り方
漬ける
キャベツは芯を取って千切りにし、塩とキャラウェイ、ローリエを加えてよく揉みます。
これを漬物用の容器に詰め、上にキャベツの外葉をかぶせて2kgぐらいの重石をします。水が上がってきたら、重石は軽くします。
できあがり
キャベツが酸っぱくなったらできあがりです。暖かい時期なら数日、冬なら半月ぐらいかかると思います。
ザワークラウトを洗う
できあがったザワークラウトを水で洗って酸味を減らします。さらに酸味を取りたければ、そのまま水に漬けて30分から1時間ほど置きます。
酸味を取ったら、手でぎゅっと絞って水気を取り、ザルにあげておきます。
たまねぎを炒める
鍋にラードかサラダ油少々を入れ、みじん切りにしたタマネギを加えて炒めます。
できあがり
タマネギがやわらかくなり、軽く色づいてきたら、ザワークラウトとスパイス類を加えて全体をさっと混ぜ合わせます。
そこにアイスバインの茹で汁を加え、蓋をして弱火で30分ほど煮込みます。
アイスバインが煮汁を吸い、柔らかくなったらできあがりです。
クローブ、ローリエ、オールスパイスは取り除いて供します。"
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2009年3月5日木曜日
興和、有機栽培綿の販路拡大 3月、衣料品をOEM供給
in NikkeiNet
繊維商社の興和(名古屋市)はオーガニックコットン(有機栽培綿)の販路開拓に乗り出す。3月からアパレルメーカーに有機栽培綿を使用した衣料品をOEM(相手先ブランドでの生産)供給する。中国製の衣服から有害物質が検出された問題などから消費者の衣料品に対する安全意識が高まっている。興和は環境配慮という付加価値をつけた商品を売り込み、業績拡大につなげる。
新たに売り出す衣料品には、3年以上、化学農薬や化学肥料を使用しない畑で栽培され、国際認証検査に合格した綿花を使用。3月からアパレルメーカーに販売する。有機栽培綿を70%以上使用した「テネリータプレミアムオーガニック」と50%以上使用した「テネリータナチュラル」の2種類を用意する。
アパレルメーカーから製品注文を受け付け、興和が綿花の素材調達から製品加工まで請け負う。商品には品質と安全性の証明として「テネリータ」ブランドの商品タグを付ける。
in NikkeiNet
繊維商社の興和(名古屋市)はオーガニックコットン(有機栽培綿)の販路開拓に乗り出す。3月からアパレルメーカーに有機栽培綿を使用した衣料品をOEM(相手先ブランドでの生産)供給する。中国製の衣服から有害物質が検出された問題などから消費者の衣料品に対する安全意識が高まっている。興和は環境配慮という付加価値をつけた商品を売り込み、業績拡大につなげる。
新たに売り出す衣料品には、3年以上、化学農薬や化学肥料を使用しない畑で栽培され、国際認証検査に合格した綿花を使用。3月からアパレルメーカーに販売する。有機栽培綿を70%以上使用した「テネリータプレミアムオーガニック」と50%以上使用した「テネリータナチュラル」の2種類を用意する。
アパレルメーカーから製品注文を受け付け、興和が綿花の素材調達から製品加工まで請け負う。商品には品質と安全性の証明として「テネリータ」ブランドの商品タグを付ける。
2009年3月4日水曜日
無農薬栽培を学ぼう 15人、地産地消の農家訪問
無農薬栽培を学ぼう 15人、地産地消の農家訪問
in 琉球新報
2009年2月28日
無農薬栽培を実践する農家の玉城さんの話を聞くツアー参加者=25日、与那原町
市民や商店に適正な環境情報を発信し、環境を考える消費者を増やそうと、那覇市は25日、地産地消農家ツアーを実施した。市内外から15人が参加し、無農薬栽培を実践する農家を訪ね、栽培法などを学んだ。
ツアーは今年3回目で、JAおきなわ国場支店を出発し、バスで与那原町、糸満市、八重瀬町の農家を回った。
与那原町では、EM(有用微生物群)を使用した完全無農薬でパッションフルーツなどを栽培している玉城宗一さん(68)を訪ねた。参加者らは玉城さんにEM栽培の利点などについて質問したり、実ったパッションフルーツを見て回った。
玉城さんは、EMで堆肥(たいひ)を発酵させる時に密封してしまったタンクが破裂した失敗談や無農薬栽培の難しさを伝えた。
玉城さんの話を聞いた参加者の知念真子さん(61)は「自分もプランターで栽培しているけど、虫が付いたり難しい。農家の人も苦労して体に良い無農薬のものを作っていると分かった」と話した。
in 琉球新報
2009年2月28日
無農薬栽培を実践する農家の玉城さんの話を聞くツアー参加者=25日、与那原町
市民や商店に適正な環境情報を発信し、環境を考える消費者を増やそうと、那覇市は25日、地産地消農家ツアーを実施した。市内外から15人が参加し、無農薬栽培を実践する農家を訪ね、栽培法などを学んだ。
ツアーは今年3回目で、JAおきなわ国場支店を出発し、バスで与那原町、糸満市、八重瀬町の農家を回った。
与那原町では、EM(有用微生物群)を使用した完全無農薬でパッションフルーツなどを栽培している玉城宗一さん(68)を訪ねた。参加者らは玉城さんにEM栽培の利点などについて質問したり、実ったパッションフルーツを見て回った。
玉城さんは、EMで堆肥(たいひ)を発酵させる時に密封してしまったタンクが破裂した失敗談や無農薬栽培の難しさを伝えた。
玉城さんの話を聞いた参加者の知念真子さん(61)は「自分もプランターで栽培しているけど、虫が付いたり難しい。農家の人も苦労して体に良い無農薬のものを作っていると分かった」と話した。
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