ニーム(インドセンダン)はなぜ効くのか?
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ニームのアレロケミカルズとアレロパシー
それでは、ニームのアレロケミカルズ(他感物質)とアレロパシー(他感作用)について、もう少し詳しく触れてみましょう。
ニームのアレロケミカルズを形成する活性成分は「アザチラクチン」といわれます。コーヒー豆や茶の葉の活性成分がカフェインやタンニン、タバコの葉がニコチンであるのと同じです。
田圃に緑肥、イナワラ、モミガラ、フスマを施用すると雑草の発生を抑制するのもアレロパシーの効果であることがわかっています。
このアザチラクチンの作用がもたらす害虫防除作用が科学的に解明されるとともに、ニームは、天然害虫対策資材として一躍脚光を浴びることとなりました。従来の殺虫剤と比較して次のような特徴がわかってきたのです。
◇ニームのアレロケミカルズがもたらす効果◇
1.無毒性、生分解性だから環境にやさしい。
2.神経毒作用(殺す)ではなく害虫忌避、摂食障害による防除である。
3.害虫の産卵、孵化を阻害する。
4.益虫を殺さないので、天敵が残る。
5.害虫に耐性がつかない。
このニームの特徴が判明すると同時に、農業先進国ではただちにこれを農業にとりいれることとなりました。ニームの実を絞って製造したニームオイルは葉面散布剤として、その絞りカスであるニーム顆粒を土壌散布剤として活用したのです。そして予測通りの効果が得られ、いまでは欧米農業先進国では、害虫対策資材の主流となっています。
なお、日本農業新聞(1999.4.20付)は、(ニームの)「アザチラクチンという成分が家畜につくダニやイナゴ、ゴキブリなど多くの昆虫を殺虫、又は幼虫期にホルモンに作用して脱皮時に死亡させる。ネマトーダ(土壌センチュウ)に対しても有効」と報じています。
まさにニームのアレロケミカルズとアレロパシーは、これまでの殺虫剤に替わる安全な害虫対策資材を生み出す「秘密兵器」といえるでしょう。
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